ナショナル マイクロ minic RN-Z600は44年前の1981年ころに49,800円で発売されたマイクロカセットラジカセだがあまり資料が見当たらず前回のメンテナンスでも苦労した。現在未整備品も含めて手元に3台ありいずれも問題を抱えている。まとめてメンテナンスしておこうと思い立った。
配線図や基板図などのマニュアルが入手できていないので試行錯誤の作業となる。この機種の特徴はメカニズム部分はドライブベルトは珍しい平ベルト、ベルト交換がとても厄介だが決定的な弱点は無さそう。アンプ部はシート状の基板が多用されていて繊細、ただトラブルは少ないと思われた。
ベルトはドライブベルトとカウンターベルトの2本だが交換するには手順に沿って行わないと難しい。自分への備忘録としてメモしておきます。
1基板に共締めされている回転検出電極を外す。基板も外す。
2巻き上げハブはカセットリッド内のプラスチックワッシャーを外し取り外しておく。
3モーター固定版の固定ネジを外して引き上げる。
4ベルトは劣化品二つ折りでドライブベルト67mm幅2mm カウンターベルトは40mm極細
5組み立て時に回転検出電極の位置を目視で確認する。
ベルトを交換するもワウフラッターが大きい。原因は明らかではないがベルトに問題があるのかもしれない。品質の高いベルトを入手したいが難しく安価な詰め合わせから選んでいるのが現状。


平ベルトの幅が大きくて何処かと干渉しているかもしれない。適切なベルトが入手できない場合は削合することも考えていたがそのうちになぜか改善していった。そのほか細かな調整を繰り返してなんとか終了まで漕ぎ着けた。


National(現Panasonic)としてはこのRN-Z600でマイクロカセットのミュージックテープを作ってNational版WALKMANのRN-GZ7で持ち歩くという戦略だったのだろう。

ステレオマイクロカセットには他の家電メーカーと比べても比較的熱心な姿勢だった。RN-Z600には録音機としてふさわしい機能を持たせようと考えて平ベルトの採用など力を入れていたのだと思う。世界唯一のコンパクト-マイクロカセットダブルデッキもリリースしていた。不利な条件でも自社の技術力で高音質を引き出せる自信があったのだと思います。
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